作文教室🌼第12回目「例え・比喩2」
今回もお時間ある時にゆっくりお読みになって、課題にチャレンジしてくださいね。
前回に引き続き、今回も「例え・比喩」についてのレッスンです。
前回は「人生とは」というお題で、
・比喩→理由→結論
・前提→比喩→結論
といった流れで、比喩を使った1テーマのエピソードを企画してまとめて頂きました。たとえ話を作っていただきました。
今回はさらに実用的に、「修飾語として比喩を使う」ということをお伝えしていきたいと思います。
比喩を使った修飾でより伝わりやすく
比喩を使った修飾語は、文章をより鮮やかに印象付けることが出来ます。
(元文)
・色が変わっていく夕焼けがきれいだった。感動した。——–
(比喩の修飾語あり)(&オノマトペ)
・ゆらゆらと燃えるような夕焼けが、薄紫色の空を赤みがかったオレンジ色へとゆるやかに染めていった。その見事な変化に、心の中まで染められるような気がした。
(上記使用比喩)
・ゆらゆらと燃えるような/夕焼け
・空を/赤みがかったオレンジ色へとゆるやかに染めて
・心の中まで/染める
たんに事実を伝えるより、情景、雰囲気が想像しやすくなります。想像を促すということは、伝わる文章である、ということです。
※蛇足ですが、この文では、「ゆらゆら」「ゆるやか」と「ゆ」で始まる穏やかな言葉で揃え、ゆったりとした時間の経過も表現しています。
比喩修飾の作り方
1)まずは言いたいことを端的に羅列します。
・色が変わっていく夕焼けがきれいだった。感動した。
2)パーツに分けます。
色が変わっていく/夕焼けが/きれいだった。/感動した。
それぞれのパーツに対して「それはどんなふう?どのように?」という問いを考え、比喩表現を付けます。
※今回は例題なので、それぞれのパーツに比喩表現を付けていますが、1か所でもかまいません。やり過ぎると「文学作品」のようになってしまい、かえって読みにくくなるので、加減が肝心です。
3)最適な比喩表現を見つけたら、
・例えて言うなら
・例えばそれは
・~ような
・~みたいな
・~くらい
・直接接続する隠喩
などの示唆する言葉を添え、表現したいパーツとジョイントします。
文章を整えて出来上がり。
書き上げたら、比喩の修飾語部分が目立ちすぎていないか、確認しましょう。
あえてそうしたのでないかぎり、修飾語が目立つのはあまりよくありません。文章全体と馴染むように入っているのがベストです。
比喩修飾を使った例
上の示唆言葉の例を使った、比喩で修飾した文のビフォーアフターを並べてみますね。
・例えて言うなら
(元文)
私は悪い予感がした。——–
(比喩修飾あり)
例えて言うなら、私はその時すでに暗闇に飲み込まれていたのかもしれない。
・例えばそれは
(元文)
発想の転換が必要だ。——–
(比喩修飾あり)
例えばそれは、コロンブスの卵のように発想の転換が必要だ。
・~ような
(元文)
美しい星空——–
(比喩修飾あり)
黒いシルクの布に大小無数のダイヤモンドを散りばめたような星空
・~みたいな
(元文)
柔らかい肌——–
(比喩修飾あり)
・まるで赤ちゃんみたいなすべすべもちもち肌
・~くらい
(元文)
このスイーツは絶品だ。——–
(比喩修飾あり)
このスイーツの美味しさと言ったら、作った人にノーベル平和賞上げてもいいくらい。
・直接接続する隠喩
(元文)
子どもは純真で素直だが、意地悪なところもある。——–
(比喩修飾あり)
子どもは純真で素直だが、時に悪魔だ。
といったように、比喩修飾を付けた文節を文章の中に織り交ぜることによって、印象的なフレーズを作ることができます。
ユーモアの演出もできる比喩修飾
また、比喩をわざとオーバーに過剰にすることで、コメディタッチの文章を作ることもできます。
(元文)
彼女のリクエストに応えて、やっと予約が取れたレストラン。
「えーがっかりー、
この料理、全然美味しくなーい」
彼女が大声で言い、周囲がざわついた。
温厚な僕もさすがに頭に来た。彼女はわがままだ。——–
(オーバーな比喩表現)
彼女のリクエストに応えて、やっと予約が取れたレストラン。
「えーがっかりー、
この料理、全然美味しくなーい」
彼女が大声で言い、周囲がざわついた。
温厚な僕もさすがに頭に来た。彼女のわがままさは、あのマザー・テレサでも胸ぐらをつかんでビンタするレベルだ。
(元文)
混雑する駅の構内で派手に転んでしまった。通りすがりの人は笑うし、痛いし、とても恥ずかしい。恥ずかしさをごまかしたい。——–
(オーバーな比喩表現)
混雑する駅の構内で派手に転んでしまった。あまりの私のジタバタぶりに通り過ぎる人もクスクス笑っている。あちこち痛い。
あぁもう、穴があったら入りたいし、穴を通ってずんずん進んでブラジルまで行って、サンバを踊ってごまかしたいくらい。
上記の例文は元文がマイナスの状況だけしか書かれていないので読者にシリアスな印象を与えます。
ですが、このオーバーな比喩修飾でコミカルにすることで、書き手のユーモア(余裕)を感じることが出来、マイナスの状況を面白く、なおかつ共感して読んでもらうことが出来ます。
ユーモアにも比喩表現は重要な役割を果たします。
* * *
以上、比喩で修飾する参考例をご紹介しました。
では、今回のお題に行ってみましょう🌼
課題12🌼「比喩修飾を使って文章を書く」
今回の講義でご紹介したような、比喩の修飾を使って文章を書いてください。
ご紹介した最後がユーモア編でしたが、別にユーモアに限らず、今回の講義全編の例を参考に、お好きなテイストで書いてくださって構いません。
今回は自由に比喩を考えることを楽しみながら文章を書いていただきたいので、フリーテーマとします。お仕事のことでも、プライベートなことでも、自由にお書きください。
200字目安ですが、文章の修飾をするので、文字数が200字オーバーでもかまいません。
今回は文字数より、比喩表現を優先してください。
比喩はいくつ入れてもOKです。
文章の下に使った比喩を羅列してください。
ではでは、投稿をお待ちしていますね🌼