作文教室🌼第14回目「共有認識を拝借する」

今回もお時間ある時にゆっくりお読みになって、課題にチャレンジしてくださいね。

今回は「共有認識を拝借することで、説明を省きつつイメージをグッと伝える」という手法をお伝えします。

また、今回の手法は、以前お伝えした比喩表現とセットで使うことで、多彩な文章表現が可能になります。

共有認識を拝借する、とは?

共有認識を拝借するとは、前回のあるあるとちょっと似ていますが、「既に多くの人が知っているであろう、というものを借りてきて文章を表現する」ということです。

「あるある」が「よくあるシーン、出来事」だったのに対して、共有認識は「みんなが知っているもの」を文章表現に利用する、というイメージです。

みんなが知っているから、より伝えたいことを具体的にイメージしてもらうことが出来ます。

共有認識が多く使えるのは、人物名、地名・場所、出来事・エピソードなどがあります。

順番に例文をご紹介しますね。

共有認識・人物編

(例文)
その少年はいたずら好きで、教師からは問題視されているが、クラスの人気者。好奇心旺盛で正義感、友達想いの少年だった。

(共有認識ワード入り例文)
その少年はまるで、トム・ソーヤが小説の中から飛び出して来たような子だった。

「トム・ソーヤ」という人物名を入れることによって、やんちゃでわんぱくな少年像が浮かびます。伝えたかった事、文章で書ききれないニュアンス、イメージも一緒に伝えることが出来ます。

他にも赤毛のアンや、シャーロック・ホームズなど創作上の人物の他、歴史上の人物、世界の偉人や著名人、有名な映画、アニメのキャラクターなども借りてきて表現することが出来ます。

(例文)
私の友人はダイエットする!と大々的に宣言するものの、だいたい3日くらいで誘惑に負ける。毎回3日坊主だ。

(共有認識ワード入り例文)
私の友人はダイエットする!と大々的に宣言するものの、だいたい3日くらいで誘惑に負ける。明智光秀か。

どの場合も、表現したいこととその人物の特徴が一致しているかが、効果的に展開できるポイントになります。

共有認識・地名・場所編

状態や状況を表したり、たとえたりする場合に適しています。
有名な、既に慣用句になっているもののひとつに、覚悟を決めて、という意味で

(例文)
「清水の舞台から飛び降りる」気持ちで、欲しかったバッグを買った。

があります。昔は今ほどなんでも調べられる時代ではありませんでしたが、それでも「清水の舞台」は共有認識になるほど有名だったのですね。

場所や地名の特徴を比喩にして使うことで、よりドラマチックな表現が可能になります。

(例文)
その織物は淡いブルーから濃いブルーのグラデーションに染め上げられ、とても美しかった。

(共有認識ワード入り例文)
その織物は淡いブルーから濃いブルーのグラデーションに染め上げられ、南の島の海を切り取ってきたような美しさだった。

(例文)
勢いで勤めていた会社を辞め、さぁ、自由になったと感じたとたん、僕はあることに気づいて愕然とした。この先僕は何をすればいいのだろう。自分に合った仕事?やりたいこと?
それを見つけるのはとほうもなく難しいことに感じた。

(共有認識ワード入り例文)
勢いで勤めていた会社を辞め、さぁ、自由になったと感じたとたん、僕はあることに気づいて愕然とした。この先僕は何をすればいいのだろう。自分に合った仕事?やりたいこと?
それを見つけるのは、見渡す限りの砂漠の中でオアシスを探し当てろと言われるほど、とほうもなく難しいことに感じた。

共有認識・出来事・エピソード編

有名な出来事やエピソードになぞらえて、状況を印象的に表現するのに適しています。

(例文)
当社の新しいサービスは、1人のスタッフがぽろっと口にしたアイデアから始まりました。
それはまさにごく当たり前のことをちょっとひねった、発想の転換というべきもので、画期的なアイデアでした。

(共有認識ワード入り例文)
当社の新しいサービスは、1人のスタッフがぽろっと口にしたアイデアから始まりました。
それはまさにコロンブスの卵のような画期的なアイデアでした。

共有認識入りの文章の作り方

上記でご紹介した以外にも、慣用句や、俳句、短歌、名言など、共有認識を借りてこられるものは、たくさんあります。

一番重要なのは、表現したいことに
「みんなが知っていて」←読者視点
「何が似ているか」←アイデア
という点を、探し考える事です。

1)まず、主題を決めます。

2)それに合った共有認識を探します。または考えます。

3)共有認識を織り込んで文章を作ります。

今回の手法も、文章を書く前の「企画」が大事なので、よく練って書いてみてください。
では、今回のお題に行ってみましょう。

課題14🌼「共有認識できる表現を探して文章を書く」

今回の講義でお伝えした「共有認識」を探して、そのくだりを入れた文章を書いてください。ここでご紹介したパターン以外でも、「みんなが知ってる」ものであれば、どんなものでも構いません。

今回も、書く前の「共有認識」を見つけるのが重要ポイントのトレーニングなので、文章の内容はフリーテーマとします。
お仕事のことでも、プライベートなことでも、なんでもOKです。

フリーテーマだと書きにくいという場合は、「私が伝えたいもの、こと、場所」というお題で書いてください。

ではでは、投稿をお待ちしていますね🌼

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