作文教室🌼第10回目「ありありと想像させる五感に訴えるオノマトペ」

今回もお時間ある時にゆっくりお読みになって、課題にチャレンジしてくださいね。

今回は「オノマトペを使って、文章を際立たせる」という手法をお伝えします。

今回は情景や感覚の描写がメインになるので、伝わる文章を書くということにおいては、主題の舞台や背景を臨場感あるものにする、という位置づけで捉えてください。簡素な舞台より、リアリティある舞台のほうが、そこで展開される主題の内容が際立ちます。それによって伝えたい主題がより伝えやすくなります。

オノマトペとは?再確認

オノマトペとは、擬音、擬態語、擬声語を表す言葉の総称です。

「オノマトペ」という言葉はフランス語で、英語だと「オノマトペア」です。

その語源のルーツは古代ギリシア語までさかのぼり「onoma(名前)」「poiein(作る)」からなる「onomatopoiia(オノマトポイーア)」に由来するそうです。(Wikipediaより)

オノマトペは大きく3つに分類されます。

ひとつめ。「擬音語」
物や現象が発する音を文字で描写した言葉のことです。

「バーン」「ドカーン」「さらさら」「チリンチリン」「パラパラ」「チャリン」など。

ふたつめ。「擬態語」
状態や心情など、音のしないものの様子を表す言葉です。

「わくわく」「すべすべ」「ふっくら」「ぶらーん」「にこにこ」「ニヤニヤ」「じろじろ」「ふわふわ」「くるくる」「じわじわ」など。

みっつめ。「擬声語」
人や動物の声を表す言葉です。「シー」「バブバブ」「ワンワン」「コケコッコー」「ブーブー」「パオーン」など。

世界の言葉の中で、日本語は特にオノマトペの数が多い言語と言われています。
日本語は、オノマトペを組み合わせることによってよって表情豊かに文章を作りやすい言語なのです。

文章を印象付けるオノマトペの効能

オノマトペは、言葉の持つイメージが目で見た瞬間に脳に直接働きかけるため、想像力をかき立て、訴求力を高めることができると言われています。

そのため、幼児絵本などでも多用されているので、オノマトペを使うことで幼稚な文章になるのではないか、という懸念を持たれる方もあるかと思いますが、適切に使えば、より印象的に、効果的になります。

オノマトペにはこんな効果があります。

・臨場感を出す
・ドラマチックに表現出来る
・イメージを補足出来る
・五感に訴える表現が出来る
・想像力をかき立てることが出来る
・オノマトペが入ることで飽きさせない

オノマトペ辞典

オノマトペを使いこなすには、オノマトペの語彙が多いほうが断然有利なので、辞書などを閲覧されることをおすすめします。

探したら、こんなアプリがありました。

・日本語オノマトペ辞典
(iPhone)(android)

インストールしてみましたら、収録語彙は少ないですが、シーンや事象から逆引きできるのが便利そうです。

https://nihongokyoshi-net.com/onomatopoeia/

・書籍の辞書

私が使っているのは、下記の辞典です。
逆引きはできませんが、2000語収録されており、探しやすいです。今は文庫版が出ているので、文庫の方がサッと調べたりするのに扱いやすいかもしれません。

擬音語・擬態語辞典 (講談社学術文庫)
山口 仲美

オノマトペは比喩表現にも使える

オノマトペは、

(例)
雨がしとしと降っています。

という、状態や状況を表すだけでなく、比喩表現にも使えます。

(例)
・私の心は傷ついた。その傷口はズキズキ痛み、いつまでもぐずぐずと癒えることはなかった。

(ズキズキ、ぐずぐず)

など、心情表現のバリエーションも増やすことが出来ます。

オノマトペは自作もできる

有名なところでは、宮沢賢治さんの

「クラムボンは かぷかぷ笑ったよ」

宮沢賢治「やまなし」

などがあります。「かぷかぷ」がオリジナルのオノマトペですね。
宮沢賢治さんはオノマトペの造語が多く、宮沢賢治さん作のオノマトペだけをまとめた本も発行されています。

様子を適切に表すことができれば、自作も可能ですし、より世界観を作ることも出来ます。

また、宮沢賢治さんほど文学的でなくても、これは私のクライアントの、ヘアサロンで実施した実用的な例なのですが、

・頭皮トリートメント
・髪の痛みケアトリートメント

という、メイン商品のカットやパーマ以外のサブメニュー(客単価を上げるための商品)のオーダーが伸び悩んでいたので

・うるつやトリートメント
・もてふわ美髪ケア

にネーミングを変えたら、オーダーが数倍になったというケースがありました。

どちらも、「うるうる」+「つやつや」、「もてもて」+「ふわふわ」の合体オノマトペなのですが、五感に訴えたことでお客さんがイメージしやすくなり、訴求力が上がったケースですね。

オノマトペは読者の感覚に訴えかけるので、短い言葉で商品説明をする時など、強い効果を発揮します。コンビニやドラッグストアに出かけたら、そこら中にあるので、ぜひ観察してみてください。

オノマトペの使用例

では、オノマトペの使用例なし/あり、の文例を3つ並べてみますね。

交通事故編(オノマトペなし)

急に飛び出してきた何かが、僕の車にぶつかってきた。小学生くらいの男の子が自転車と一緒に倒れている。自転車のペダルだけが回っている。僕の心臓は鼓動を打ち、全身が締め付けられるような緊張感に襲われた。

交通事故編(オノマトペあり)

ガシャーン!と派手な音を立てて僕の車に何かぶつかった。小学生くらいの男の子が自転車と一緒に倒れている。自転車のペダルだけがカラカラ回っている。僕の心臓はバクバク音を立て、ぎゅっと全身が締め付けられるような緊張感に襲われた。

(ガシャーン、カラカラ、バクバク、ぎゅっ)

秋のスイーツ編(オノマトペなし)

和栗のペーストのコクに、濃厚生クリームが絶妙マッチ。クリームの下にはさつまいもキューブが入っています。秋を感じる逸品。

和のスイーツ編(オノマトペあり)

のどごしまろやかな和栗のペーストのコクが、とろりとろける濃厚生クリームと絶妙マッチ。クリームの下には、ほくほくのさつまいもキューブがごろごろ。しっとりほっこり秋を感じられる逸品。

(まろやか、とろり、ほくほく、ごろごろ、しっとり、ほっこり)

山の中の滝編(オノマトペなし)

小川に沿って緑の小道を抜けると、高さ3メートルほどの滝が現われた。
辺りは静かで水が落ちる音だけが響いている。近づくと、身体にかかる細かい水しぶきも心地よい。時折聞こえる鳥のさえずりが、余計に静けさを感じさせてくれる。

山の中の滝編(オノマトペあり)

さらさらと流れる小川に沿って緑の小道を抜けると、高さ3メートルほどの滝が現われた。
辺りは静かで、ザーザーと水が落ちる音だけが響いている。近づくと、さわさわと身体にかかる細かい水しぶきも心地よい。チチチ……と時折聞こえる鳥のさえずりが、余計に静けさを感じさせてくれる。

(さらさら、ザーザー、さわさわ、チチチ……)

サンプルなので多めに入れ込みましたが、イメージは掴めましたでしょうか。臨場感、感覚をオノマトペで表現するイメージです。

では、今回の課題に行きましょう。

課題10🌼「オノマトペを使って、五感に訴える文章を書く」

今回の課題は、オノマトペを1つ以上使って、五感に訴える文章を書く、という課題です。ひとつでも構いませんし、いくつ使っても構いません。

ゴールは「情景や感触が感じられるような、五感に訴えるエピソード」を目標に、200字目安で書いてください。

文末に、使用したオノマトペを箇条書きにしてください。

オノマトペ軸で考えやすいよう、今回はフリーテーマとします。お仕事のこと、商品紹介、プライベートなこと、自由に200字で書いてください。

テーマがないと難しい……という方は

・おいしかった料理の話
・今までに見た最高の景色

の2パターンのどちらかで書いてください。

ではでは、投稿をお待ちしていますね🌼

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