お姫さまは、王子さまと出会い、
幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
――おしまい
童話はそこで終わりますが、その後、お姫さまや王子さまはどうなったのでしょう。
夫婦になれば、恋人同士の時よりも、相手や人生にきちんと向き合っていかなければならないし、「幸せに暮らしましたとさ」みたいな、ザックリした感じではやっていけないはず。
そう、「好き」を仕事にするのも同じことです。
絵を描くことが好きだからイラストレーターになりたい、人を癒したいからセラピストになりたい、ネイルが得意だからネイルサロンを開きたい、日本の伝統文化を継承したいから着付けの先生になりたい、楽器を演奏する素晴らしさを知ってほしいから教室を開きたい……。
そう思い、実現するのは、本当に素敵なことです。
そして新しいことを始めるのは、実に勇気が要ります。それを乗り越えて、イラストレーターに、セラピストに、ネイリストに、先生になりました、
めでたし、めでたし……、
と、現実は、そこで終わりではありません。
そこからがスタートです。
せっかく「好き」を仕事にしたのに、全然上手く行かない。広告を出しても、SNSを投稿しても、ブログを書いても、お客さんがあんまり増えないけど、どうしたらいいの???
この疑問は、「好き」を仕事にした人が、かなりの割合で通る道。
そう、残念ながら、自分の好きなことを仕事にしただけでは、まぐれ当たりしない限り、うまく回っていかないのです。そのせいで、せっかく「好き」を仕事にしたのに、イヤになってしまう人もいます。
悲しいですね。
でも、うまく行く方法はきっとあります。
大事なのは、パイプラインがちゃんとつながっているかを確認する、ということ。
これはどういうことかと言うと、
まず前提として、「あなたの好きなこと、やりたいこと」と「お客さんの望むこと」が一致していたら、それは商売として成り立ちます。
でも、「あなたの好きなこと、やりたいこと」→→→「お客さんの欲しいこと」の間の、パイプの連結がちゃんとつながっていないと、あなたがどれだけSNSやブログで想いや誠意を伝えても、高いお金を払ってオシャレなウェブサイトを作っても、広告枠を買っても、お客さんには届きません。全部、途中で漏れてしまっているのです。
あなたの商品やサービスは、必要とするお客さんのところまで、届いていないのです。届かなければお客さんは、あなたが発信していることにすら気づきません。大企業の大々的な広告展開でも、このパターンの失敗をして、集客出来ない時もあります。
「発信する=届く、ではない」のです。これは当たり前のことに思えますが、実際は多くの人が「発信すれば届く」と誤解しています。とても大事なことなので、覚えておきましょうね。
発信しても、あなたのところにお客さんが来ないのは、あなたの仕事がダメなのではなく、あなたとお客さんをつなぐパイプが、うまくつながっておらず、発信が届いていないのです。
ひとつずつクリアして、ひとつずつパイプの向きを直して、うまく流れるように軌道修正していけば、あなたのお店には人が来るようになります。こうなると、商品やサービスが良ければ、自然とお客さんが集まるようになっていきます。
これが、あなたの発信が伝わる通路、「動線を作る」ということです。
チェック項目はたくさんありますが、まず、最初にやるべきことは、やみくもにお客さんが来ない、依頼が来ないと焦るより、自分とお客さんのパイプが、うまくつながっていない、ということを自覚、意識すること。
ケガした場所が分からなければ、手当も出来ないでしょう?
どこがつながっていないのか、じっくり考えてみましょう。これから始めようという人は、どうしたらお客さんとスムーズにつながれるのかを考えてみましょう。
この「動線を考える」という行為は、のちのち大きな糧となります。